ニュージーランドに来て早5ヶ月が過ぎようとしている。
去年の今頃は丁度、ニュージーランドに視察旅行に来ていた時期だ。
思えばこの1年ほど、期待と不安に満ち溢れた時期はなかったのではないかと思う。
海外経験も少ない、英語もできない俺が海外を目指したのは、安全で退屈な電車に乗る生活より、ジェットコースターに乗りたかったのではないかと言う気持ちもある。
そして自分を一層磨きたい。
あえて厳しい環境に身をおく事で、年を取ってからではできない経験ができる。30歳という年齢は正にラストチャンスだった。
子供達にとっても、国際的な感覚を養えるし、ニュージーランドは何と言っても自然が豊富で伸び伸びしていて、ヘタに塾通いをさせるよりもよほど健全だと思った。
妻も不慣れな環境でありながら、本当によくがんばってくれている。
今日まで、二人でなんとか乗り越えてこれたのは妻の協力があってのものである。
最近嬉しいニュースがあった。
近所に妻の友達がたくさんできたらしいのだ。
俺のワークビザが降りたことよりも、この出来事のほうが一層永住に近づけたように感じた。
それまで、俺は少し後悔していた。
給料は家賃分ほどしか貰えていないし、先行きもまだ不透明。
このまま突き進めば家族を犠牲にしてしまうんじゃないかと思った。
中途半端な志と言われればそうかもしれないが、例えお金が無くて生活が厳しくても、家族の笑顔だけは絶やしたくなかった。
これからもニュージーランドの生活において、様々な困難があると思うが、それを二人で少しずつ克服して行きたいと思う。そして、束縛の無い、しかし心の底では強い絆で結ばれた家族を作りたいと思う。